執行役員の秋枝がAuthnse Consultingを選んだ理由と今後の課題


2024年8月にジョインした秋枝さんに、「なぜAuthense Consulting株式会社に入社したのか」「法務領域のコンサルティング市場について」「今後の展望」などについて聞いてみました!

執行役員兼コンサルティング事業部長
秋枝 克実(Katsumi Akieda)

SIerでシステム開発業務および業務プロセスの再構築等のITコンサルティングに従事。その後、外資コンサルティングファームを経て、電通グループにてマーケティング領域の企画・構想、実行支援および新規サービスの構想・計画からリリース、サービスの利用拡大までの全てのフェーズを幅広く支援。新規事業や新たなデジタルサービスを提供するために法務関連の課題解決の必要性を痛感。2024年8月から現職、企業の法務領域の課題解決を通じて企業価値の毀損を防ぐだけではなく、企業価値の向上を支援するためにコンサルティングサービスを責任者として担当。

 <メディア>
・ 二兎を追って三兎も得る!?「デジタルサービス開発×業務効率化」の話
・ マイクロソフト「Copilot」の衝撃 生成AI時代のマーケティング
・ 電通報 2023/04/14, https://dentsu-ho.com/articles/8535
・ 日経BP, 第3章

Authense Consultingが解決する課題

 そもそも法務はビジネスの成功を支える基盤のような領域です。強固な法務体制はリスク回避だけでなく、事業成長にも寄与し得る分野です。しかし、時代の変化に伴い様々な課題が発生したことで法務の業務負荷が過去に例を見ないほど高くなりました。そのため、法務がコア業務に集中することが難しくなってきています。

当社が解決する課題は法務領域における以下のような課題解決をします。

  • 法務領域の専門人材が足りない、採用難
  • 契約審査のナレッジが形式知かされておらず、後任に引き継げない
  • 業務を見直す時間がない
  • 契約締結のリードタイムが長い(キャッシュフローにも直結する課題)
  • 業務を支援するツールが多数存在するが、どれが自社に最適か判断できない
  • テックベンダやIT部門との調整に不慣れでツール導入に踏み切れない

これらの課題を解決することでノンコア業務の負担を減らし、コア業務に注力できる環境を実現します。
 

法務領域のコンサルティング市場について

 クライアントと折衝する中で法務部向けコンサルティングの需要が急速に高まっていると肌で感じています。背景は法務人材の不足、AIの進化、リーガルテックサービスの多様化と複数ありますが、法務省がAIによる契約審査を非弁行為とするかどうかに関する明確なガイドラインを提示したことで、この分野に追い風が吹いています。

 ある調査によるとALSP(Alternative Leagal Service Providers)というリーガルテック企業等の法律事務所以外の法務関連サービス提供事業者やCLM(Contract Lifecycle Management)という契約の締結前~締結、更新等含む履行管理までのプロセスを全てDXして管理する市場はグローバルで160億ドル以上と言われています。CAGRも8%と大幅な成長が予測されている領域であり、日本ではまだまだこれからの市場です。弁護士ドットコム社と兄弟会社である当社がこの市場にいち早く参入しているという状況です。
 

Authense Consultingの戦略とは

 法律事務所を起点としたコンサルティングファームとして業務コンサルとITコンサル領域でサービスを提供していこうと考えています。今、市場には特に人材・ナレッジ不足や業務過多によって、便利な法務業務領域のリーガルテックサービスやAI等の活用に追いついていない企業がとても多い状況です。そこに着目して事業を展開していきます。

 業務コンサルは具体的には契約審査業務のプロセス改善による工数削減や暗黙知の形式知かの支援です。ITコンサルはリーガルテックを含めたIT導入支援をすることで、効率化と標準化したプロセスの構築を支援すると同時に、テックベンダやIT部門との調整に掛かる負荷を軽減します。そうすることで、法務はコア業務にリソースを割くことができるようになります。
 

なぜ、大企業のグループ会社でもあったコンサルティングファームを辞め
Authense Consultingに入社したのか

 前職では、新規事業の構想から実施まで幅広く携わり、企業や消費者の課題を解決することで、社会に新たな価値を提供することに大きなやりがいを感じていました。しかし、こうした新規事業の実現には、商慣習や法律の壁が立ちはだかり、その障壁を取り除くことが重要だと痛感しました。特に法務部門が果たす役割の重要性を強く感じ、企業の成長を支えるためには、法務部門がパートナー機能(※)を発揮しやすい環境が必要だと考えるようになりました。

 Authense Consultingに入社したのは、こうした法務部門のパートナー機能を強化し、企業が新しい価値を創造できるよう支援したいと思ったからです。法務部門の支援を通じて、多くの企業が現状の障壁を乗り越え、新たな事業を成功させる手助けをしたいと考えています。

※経済産業省が設置した「国際競争力強化に向けた 日本企業の法務機能の在り方研究会」が2019年11月19日に公表した報告書では、パートナー機能は、①クリエーション機能と②ナビゲーション機能の2つに分類。① クリエーション機能は実現可能な範囲を広げる機能、 ②ナビゲーション機能は実現可能な範囲内での最大化を目指す機能と述べている

現在、取り組んでいるプロジェクト・役割

今動いている法務担当の離職リスクに対応するために、暗黙知の形式知化と契約審査プロセスの標準化を支援するプロジェクトをデリバリーしながら、事業責任者として自社の事業開発を推進しています。

 プロジェクトはクライアントの様々な部署の方にヒアリングしながら事業部門として運用可能な契約審査プロセスと、法務担当として統制を敷くバランスを考慮しながらプロセス設計をするだけではなく、事業部門が一定自走できるよう契約審査の自社基準の取りまとめをクライアントと進めています。事業開発は事業構想から計画に落とし込み、マーケティング活動および営業活動を進めています。何もない状態からのスタートのため、手触り感がある毎日を楽しんでます。

現在のAuthense Consultingの課題とメッセージ

 自社の足元の事業についてはこれまでお伝えした通り、いかに新しい市場を創りサービスを展開していけるかがポイントになります。社内の体制を整え、アイディアル・ターゲットに対する本格的なサービスを展開し、順次サービスの拡充を図り、ターゲットを拡大し様々な企業の法務機能がパートナー機能も果たせる未来を創っていくつもりです。

 また、Authenseグループには各士業のプロフェッショナルが集まっていますが、グループとのシナジーを最大化するためにも我々がコントロールタワーとなることが重要と考えており、グループ内で役割の拡大を図っていきたいと考えています。

 今最も大きな課題は仲間集めです。これから市場を創りサービスを育てていくために、仮説の検証や、サービス見直しのサイクルを高速に回す仕組みの構築が課題です。また、競争優位性を築くために不足している要素の獲得も課題です。これらの課題に取り組むためには志を同じにする仲間の存在が欠かせません。そういった意味で仲間集めが一番の課題と捉えています。

 私たちは創業したばかりで新しい市場をこれから創っていく企業です。現在、提供すべき価値を構想・計画しており、これから創業メンバーとして一緒に創り上げていく段階にあります。そのため、安定した環境を求めるよりも、新しいことに挑戦し、成長を共に楽しむエネルギッシュな方を求めています。

 私たちと一緒に、法務領域に新しい市場を創りませんか?創造力と情熱を持って、私たちと未来を切り拓く仲間をお待ちしています。